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中日新聞コラム 気になる医療用語

20) 病院勤務医

2007.2.23掲載

 病院勤務医の5割が職場を辞めたいと考えている―先日、衝撃的な調査結果が発表されました。医師のうち、診療所ではなく病院に勤務している医師は「病院勤務医」と呼ばれます。わが国には約26万人の医師がおり、うち病院勤務医は6割を占めます。その半数が退職を希望する状況は由々しき事態と言えるでしょう。過酷な勤務状況と人手不足で疲弊しきっているのが、病院勤務医の労働環境。特に小児科、産婦人科ではそれが顕著で、医師不足の原因にもなっています。麻酔科医の退職も相次いでおり、「手術ができない病院」も出ています。患者のために手術をしたくても麻酔をかける医師がおらず、メスを握るのは寝不足で疲弊した医師…。誰もそんな医療を望んではいません。また、医療の地域格差も深刻な問題です。日本では毎年約7千7百人の医師が新たに誕生しており、退職などを差し引くと年間3千5百人から4千人の医師が増えていることになります。つまり、医師が減っているのではなく、診療科別、地域別の偏在の問題が緊急課題なのです。国でも対策を講じていますが、国民が望む医療を受けるためには、私たち自身も病院勤務医の労働環境に目を向ける必要があります。私の義弟は3人の子どもを持つ小児科の病院勤務医。彼が家族とゆっくり休日を過ごせるような環境が早く来ますように。

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