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中日新聞コラム 気になる医療用語

10) ALS

2006.12.08掲載

 昨日帰宅すると、うれしいものが届いていました。出たばかりの闘病記『生きる力』(岩波書店)で、著者のお1人からのプレゼントでした。35人の執筆者はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者とその家族たち。次第に運動神経が衰え遂には自ら身体を動かすことも呼吸することもできなくなると言われる進行性の神経難病と共に過ごす日々を、いきいきと語っています。ちょうど横浜にて国際シンポジウムが開催されており、世界各国からALSの患者さんと家族、そして研究者らが来日していた時期でもありました。
 この病を罹患して数年経つと、人工呼吸器を装着しての生命維持か自然死かという二者択一を突きつけられます。全国に約7000人いるALS患者さんのうち、7割は家族への重い介護負担や寝たきりの自分の姿に絶望し自然死を選びます。しかし一方で、この『生きる力』に出てくる方々のように、人工呼吸器をつけて生きることを選択する人たちもいます。人工呼吸器につながれ身体の自由も奪われ、声を失ってもなお人が「生きる意味」とは何なのでしょう。
 この本には、そんな難問と向き合いつつも明るく生きる人たちの日常が描かれています。どのような境遇にあっても目標を持ち、自分にできることを模索し、感謝の心を忘れずに生きることを教えられた気がしました。

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