トップページ>中日新聞コラム
中日新聞コラム 気になる医療用語

5) 患者講師

2006.11.03掲載

 病は時として私たちを打ちのめし、生きる力を奪い去ります。歴史的にも、病者は「弱者」としてのみ扱われてきたこともありました。しかし、本当に闘病は単にマイナスの体験なのでしょうか?「患者の持つ力」が見直され始めた昨今、自らの闘病体験を社会に役立てたいと考え、医学・看護学部の授業に出向き体験を語る「患者講師」の活動に注目が集まっています。その起源は実に27年も昔のこと。「膠原病友の会」の会員が大阪大学の医療技術短大で闘病経験を語った時に始まりました。これは「教壇に立つ活動」と呼ばれ、これまでに30人を越える患者講師が誕生しました。
 全国に80校ある医学部を持つ大学のうち、このような患者講師を授業に招いている大学はいくつあるのでしょう?私たちはアンケートを郵送し、53校から協力を得ました(回収率67.1%)。集計の結果「必要性を感じている」と回答したのは47大学(88.7%)にも上りました。が、実際に授業を持つ大学はその半数程度(23校)。がんを体験した患者さんやその家族、薬害・医療事故被害者などが講師に招かれていました。一方で、適切な人材を見つけられないことなどを理由に、患者講師を呼べない大学も半数を超えていました。
 患者の闘病経験を、医療者の教育に還元できる仕組みづくりに携わることは、私の夢のひとつでもあります。

中日新聞コラム・目次に戻る

トップページに戻る

Copyright 2003-2010 © いいなステーション/e7station. All Rights Reserved.
QLOOKアクセス解析